鏡が粉々に砕け散る。
ゼルダは懐に手を突っ込むと奇妙なモノを取り出した。
「ゼルダ様それは…?」
呆然としていたリンクは気がついて尋ねた。
うふふと笑うゼルダ。
「我が王家に伝わる超ド級マジックアイテムの”時のオカリナ”ですわ。とあるメロディを奏でると時を遡れるという代物ですの」
「え、それじゃあ」
「し損じてはいけませんことよリンク?」
ぴーひょろぴー。
俯くミドナ。
「所詮光と影は交わっちゃいけないんだ」
その後ろからゼルダとリンクが唐突に現れるとミドナを引っ捕らえた。
「むが!?」
「つーかーまーえーたー!」
「一応陰りの鏡も重要文化財ですし壊すなんて考えるものではなくてよミドナ」
もう一人のリンクとゼルダに向かって言い渡す。
「かくかくしかじかでこの方鏡を壊すつもりですのでちょっと拉致っておいた方がよろしいですわ」
「「らじゃー」」
そしてちょっと未来から来た二人は消え去った。タイムパラドックスとか考えてはいけない。
というわけで半ば強引に影の世界と光の世界の交流は始まった。
リンクを巡って年上美人と幼なじみ、おまけに漁夫の利を狙う姫君の争奪戦も始まった。
この詳細を後の世に伝える者は誰もいない。