2023.01.26 18:15
男3号・没ネタその3
「顔洗って来いよ」
「…うい」
ふらふらと洗面所に向かうスイの背中を見送った。鏡を覗いたらしいスイのよくわかんない悲鳴が聞こえたけどあのむくみっぷりだったら無理もない。
「…で、一晩考えたんだけどな」
冷えたペットボトルを目元に当ててるスイを前に椅子に掛けた。
「はい」
「何年も一緒に住んでんのに挨拶しとかないの良くないかと思って。お前の親んとこ行くか」
「は?」
スイはペットボトルを取っ払ってこっちを見た。まだむくみは引いてない。
「せんぱいあのですね、私の家田舎なんですよ。家出た子供が誰か連れてくるなんて話したら結婚相手とか連れてくるのかって思われちゃいます」
「それでもいいんじゃね?」
スイに執着はあるんだしそれなら中途半端にしておかない方がいい、というのが考えた結論で。形式ってのに興味はないけど気持ち一つで終わるものよりあともう少し強い理由付けみたいなものはあった方がいいんだろう。
「この街ふらふら暮らすのが好きな奴多いけど俺はそうでもないし。スイとはこれだけ続いたんだから大丈夫だろ」
「…えーと」
フリーズしたスイが再起動するまでちょっとかかった。
※※※
「それは果たしてその原作使わないと書けない話なのかい」なので没
あと男の子の砕けた口調ってのは何気にむずい
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